川に潜む橘氏の眷属

ひょうすえ

ひょうすべ / ひょうすぼ / ヒョウスンボ / ヒョースンボ / ヒョスボ / 兵主部

泳ぐな、と誰も言わぬ淵。毛深い手が足首をつかむ前に、川辺へ茄子をひとつ。約束を忘れぬ者だけが、濡れずに岸へ帰る。

ひょうすえの立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

佐賀・宮崎など九州で伝わる河童の一種、あるいは河童の別称。ひょうすべ・ひょうすぼとも呼ぶ。工匠が造り川へ捨てた人形が化けたものとされ、橘氏の眷属として潮見神社に祀られる。

出現

川や淵で泳ぐ者に忍び寄り、水中へ引き込もうとする。毛深く禿げた頭の姿でナスを好み、夏は川に、冬は山に移って山童になるともいう。時に民家の風呂へ入り込み、湯船に大量の体毛を残していく。畑の初ナスを供えれば、その害を免れるとも伝わる。

伝承

語源には諸説あり、『北肥戦誌』は762年の春日大社造営で工匠が命を与えた人形を川へ捨てたところ河童に化け、兵部大輔・橘島田丸が鎮めたため「主は兵部」から兵主部と呼んだと記す。古代中国の武神・兵主神を語源とする説もある。九州各地でヒョウスベ・ヒョウスンボ等と呼ばれた。

特徴

全身が毛深く、頭は禿げている。川を住処とし、泳ぐ者を水へ引き込む力を持つ一方、ナスに目がなく、初ナスを供えられると機嫌を直す。橘氏の眷属とされ、潮見神社に祀られる。菅原道真の子孫には害を与えぬ約束を交わしたと伝わる。

ひょうすえのカバー画像