竈に宿る、福を呼ぶ醜い童
ひょうとく
火男 / ひょっとこ / ヒョウトク / ショウトク(宮城県の一部での呼称) / ショウドグ(登米郡での呼称)
へそを突けば、ぽろりと金。欲張って強く突けば、童は死ぬ。それでも爺の夢に立ち「俺に似た顔を竈にかけよ」と告げる。醜い面の奥で、火は今日も家を照らしている。
概要
東北地方の竈神(かまどがみ)の由来とされる童。へそを突くと金の小粒を出したという醜い顔の子供で、その死後、似た面を竈の柱にかけると家が栄えると伝わる。ヒョットコ(火男)の語源の一つとされる。
出現
陸前の竈のそば、火のゆらめく柱にかけられた醜い面としてまみえる。昔話では、山中の穴のなかや龍宮めいた館で、白髪の翁や美しい女の傍らにこの子がいるという。ひとたび家に迎えれば、へそから金の小粒をこぼし、その死後は面となって竈に宿り、火と家を静かに守り続ける。
伝承
東北一円に伝わる竈神起源譚の主人公。佐々木喜善編『江刺郡昔話』(1922年)などに、へそから金を生む子供の昔話として報告される。世界大百科事典は陸前地方に「ヒョウトク(ヒョットコ)という火焚き男が竈神となった」起源譚があると記す。子供の名は地域によりショウトク・ショウドグ等と異なる。
特徴
へそを火箸などで突くと金の小粒を出すという奇妙な力を持つ、醜い、あるいは滑稽な顔の童。人を害する素振りはなく、迎えた家に富をもたらす。死してのちは自らに似た面となって竈の柱に宿り、火を守り、家を繁栄させる竈神・火の神へと転じる。