内臓を食らう道志の亀甲河童

カンチキ

「川の向こうに、子どもがいるよ」――丸木橋の途中でそう囁かれても、振り返ってはいけない。亀甲を負ったざんばら髪が、蒼い顔でこちらの尻を見ている。渕から引き上げられた亡骸は、なぜか腹の中だけが、からっぽになっている。

カンチキの立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

カンチキは、山梨県南都留郡道志村に伝わる河童に似た妖怪。背に亀甲を負い、ざんばら髪で顔は蒼黒く烏天狗のよう。谷の深渕に現れ、人の尻子玉を好む。子どもに化けて娘を丸木橋から突き落とし、溺れさせては肛門から手を入れ、内臓を引き出して食うという。力は強いが体は脆い。

出現

道志村の大栗や湯本、谷の深い渕のあたりに出る。ときに子どもの姿で現れ、「川の向こうに子どもがいる」と呼びかけて娘を丸木橋へ誘い、半ばまで渡ったところで足をすくって激流へ突き落とす。深渕をのぞき込む者の背後に、亀甲を負ったざんばら髪の影が音もなく立つ。

伝承

伊藤堅吉「道志炉辺談」(『あしなか』通巻47号、山村民俗の会、1955年)に、道志村の谷の深渕に現れる妖怪として記録される。背に亀甲を負い烏天狗に似た姿で、人の尻子玉を好み、肛門から手を入れて内臓を食い、小児がたびたび溺死体で見つかったと伝わる。河童に類する水辺の妖怪である。

特徴

河童そのままに尻子玉を求めて水辺をうろつき、握る力はすさまじく強い。だが体は脆く、逆に押せばあっけなくひっくり返る。子どもや人の望む姿に化けて相手を水際へ誘い出し、溺れさせてから肛門へ細い手を差し入れ、内臓を引き出して食らう。とりわけ娘を狙うことが多いという。

カンチキのカバー画像