山と川を渡る足長河童
ガラッパ
ガワッパ / ガワロ / 足長河童 / 河童 / 山童(ヤマワロ) / セコ
山道で急に方角を見失い、腹が差し込むように痛みだしたら、近くにガラッパがいる。座ると膝が頭より高い、よだれの生臭い足長の影。素足のまま悪態をつけば、その一言は谷を越えて届き、きっちり返される。だが友になれば、その手は面白いほど魚を寄せる。
概要
ガラッパは、南九州から奄美・トカラに伝わる河童の一種。手足が細長く、座ると膝が頭より高くなる足長河童で、頭に皿を持ち口からよだれを垂らして生臭い。春は川辺、秋は山に去来し、山中では人に憑いて道迷いや腹痛を起こす。悪口には敏感だが、友になれば漁を助ける。
出現
春の彼岸に川へ下り、秋の彼岸に山へ上がるガラッパは、川辺でも山中でも出会う。山で急に道に迷ったり、木の枝に頭をぶつけたり、腹が痛み出したりすれば、たいていガラッパの仕業。素足で悪口を言えば、その声は数里先の耳にも届き、必ず仕返しされるという。
伝承
鹿児島本土・熊本南部・宮崎など南九州で河童をガラッパ・ガワロと呼ぶ。柳田国男は河童と山童の季節去来を、里(田の神)と山の神の信仰の交代の反映と論じた。薩摩川内の川内川のガラッパが名高く、山田慶晴「川内のガラッパ」(鹿児島民俗、1982年)などに、通り道「オサキ」の障りや相撲の伝承が採録される。
特徴
細く長い手足を持ち、しゃがむと膝が頭を越える。頭の皿と甲羅を備え、絶えずよだれを垂らして生臭い。本土の河童より術と神通力に長け、山の神にも近い。人を見れば相撲を挑むが、手を左右に引くと腕が伸びる。仏飯と光る金物、人の歯を恐れ、悪口には数里先からでも仕返しする。