竹筒に飼われる占いの管狐
クダ
管狐 / クダギツネ / クダ狐 / クダショウ / クダモチ / クダ持ち / クダ使い
竹筒の中から、低い声で返事が来る。過去を言い当て、明日の吉凶を告げるその声に、家はみるみる富んでいく。だが数えてみろ――一匹、二匹、いつのまにか七十五匹。栄えた分だけ食い尽くされ、筒の主だけが、次の嫁入りにそっとついていく。
概要
クダは、長野をはじめ中部・東海に伝わる管狐。モルモットほどの小さな狐で、竹筒に納めて持ち歩ける。飯縄山で修行した管使いが操り、呪文を唱えて問えば筒の中から答え、吉兆を占う。害は少ないが、嫁入りに憑いてくると家は栄え、やがて七十五匹に増えて家を食いつぶし衰えさせるという。
出現
ふだんは竹筒の中に納まって人目に触れない。飯縄山で術を授かった管使いが呪文を誦してから問いかけると、筒の中から低い返事があり、人の過去を言い当て未来を占う。縁組みの折に嫁とともにそっと家へ入り込むこともあり、その家は初めみるみる裕福になっていく。白毛に黒の混じったモルモットのような姿をしている。
伝承
長野・山梨・静岡・愛知など中部・東海に分布する憑き物。松浦静山『甲子夜話』(1841年)は文政5年に大坂で得て江戸で見世物になった管狐を、三好想山『想山著聞奇集』(1850年)は信州で刺殺された「くだ」を記す。柳田国男は、七十五匹の眷属説をクダ持ちの家が増えた事情の後づけと論じた。
特徴
モルモットほどの小さな体で、白い毛に黒がまじり、竹筒一本に難なく納まる。飼い主の問いに応えて過去を言い当て未来を占い、他家から品物を調達してくる。いじめると祟るので猟師も手を出さない。嫁入りごとに憑いていき、その家を栄えさせるが、やがて七十五匹にまで増えて家を食いつぶし、零落させてしまう。