狐の霊を呼び出す十円玉の憑依占い

コックリさん

狐狗狸さん / こっくりさん / こっくり

三人の指がそっと十円玉に触れる。コックリさん、コックリさん、おいでください。放課後の教室、硬貨がすっと動き出す。誰も押していない、と皆が言う。はい、いいえ、鳥居、五十音。問いに滑る銅の光。帰らせるまで、指を離してはいけない。それが、たったひとつの約束だ。

コックリさんの立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

D
稀少性

夜道や家々で、ごくありふれて語られる。

概要

コックリさんは、狐などの霊を呼び出して吉凶や知りたい事柄を占う憑依占い・降霊術の一種。紙に鳥居・五十音・数字を書き、十円硬貨に複数人が指を添えて霊を招く。「狐狗狸さん」とも書き、正体は狐・狗・狸の霊とされる。昭和四十八年ころ小中学生の間で爆発的に流行した、儀式・俗信の色が強い妖怪である。

出現

家庭や教室など、身近な場所で紙と十円硬貨さえあれば呼び出せる。三人ほどが硬貨に人差し指を添え、「コックリさん、コックリさん、おいでください」と唱えると、硬貨がひとりでに滑り出して質問に答えるとされる。姿を見せることはなく、動く硬貨の軌跡としてのみ現れる。

伝承

明治二十年ごろにも大流行した記録があり、当時は飯櫃の蓋を三本の竹で支えた装置が「こっくり」と傾くさまから名が付き、後に狐狗狸の字が当てられた。発祥地は下田で、明治十七年ころ下田沖で難破したアメリカ帆船の乗組員が伝えたテーブル・ターニング(ウィジャ盤)が起こりとも語られる。

特徴

呼び出された霊は硬貨に乗り移り、知りたい事柄を教えたり凶事を予言したりするとされる。井上円了はこれを妖怪ではなく、参加者の期待と「不覚筋動」(無意識の筋肉運動)による現象と説いた。正しく帰さないと取り憑くといった禁忌を伴い、儀式の作法として語り継がれてきた。

コックリさんのカバー画像