沈んだ鐘に和して悲歌をうたう大木の怪
ナンジャモンジャ
なんじゃもんじゃ / 何じゃもんじゃ / 神崎の大クス
この木は何じゃ、と問うても答えはない。ただ利根の水底から鐘が鳴るたび、名を持たぬ大樹が、沈んでいく者たちのために低く歌いはじめる。
概要
ナンジャモンジャは、千葉県香取郡神崎町の神崎神社に立つ大クスにまつわる怪異。「何の木か分からない大木」を指す呼称で、利根川沿岸のこの地では、沈んだ鐘の音に和して悲しげな歌をうたう木の怪として語られる。名は水戸黄門が「この木は何というもんじゃろうか」と問うたことに由来すると伝わる。
出現
利根川沿岸の神崎神社付近を船で通るとき、鐘を箱と莚で隠す決まりを破った船は沈むという。以来、鐘の沈んだあたりを航行する船人は、水中から響く鐘の音と、それに合わせて悲しげにうたうナンジャモンジャの歌を聞くとされる。
伝承
ナンジャモンジャは特定の樹種を指す固有名ではなく、名の分からない見慣れぬ大木への呼称で、全国に同名の木が20種を超える。神崎神社の大クスは樹高約25mで、大正15年(1926年)に国の天然記念物に指定された。水戸光圀が延宝2年(1674年)に参詣した際の逸話が名の由来として伝わる。
特徴
神崎神社の大クスに宿り、利根川に沈んだ鐘の音に呼応して悲しげな歌をうたう。船人が禁忌を破って鐘を隠さず運べば船を沈め、その沈み行く間、水中の鐘とともに哀歌を響かせる。姿を定めず、何の木とも知れぬまま土地に語り継がれる怪である。