海の彼方から豊穣を運ぶニライカナイの主神
ニライの大主
ニーラの大主 / ニライの大ぬし / ウブヌシガナシー
水平線の向こう、根の国から船は来る。舳先に立つのは災いではなく、実りと寿ぎ。島が待つのは、いつも海の彼方からやってくる。
概要
ニライの大主は、沖縄および薩南諸島で信じられた、海の彼方の楽土ニライカナイに座す神格。年ごとに沖縄などへ来訪し、幸福・繁栄・豊作を予祝するとされる。ニライカナイは死者の霊が往来する根の国とも重ねられ、大主はその往来を司る主神と考えられている。
出現
ニライの大主は災いをもたらす怪ではなく、招かれて訪れる来訪神である。石垣島川平ではマユンガナシーとして家々を巡り、健康と豊作を祈願する。竹富島では旧暦8月8日の世迎え(ユーンカイ)で、ニーラン石に神を迎える神事が営まれる。
伝承
ニライカナイは沖縄県および奄美群島に伝わる他界観で、海の彼方・海底・地の底にあるとされる理想郷。年初に神が訪れ豊穣をもたらし年末に帰るという信仰があり、生者の魂が来て死者の魂が帰る国ともされる。柳田國男は本土の常世(とこよ)観との類似を論じた。
特徴
ニライの大主は、海の彼方の楽土から船で来訪し、島々に幸福・繁栄・豊作をもたらす豊穣の神。その来訪を祝う演劇的行事が各地で行われ、御嶽を中心とした豊年祭では来訪神が中心的役割を担う。害意をもたず、招かれて福を運ぶ神格として祀られる。