医者を宴に招いた、一つ目の大男

一つ目入道

目隠しの駕籠が止まったのは、地図にない屋敷。一つ目の主が杯を掲げれば、天から調べが降り、仙女が舞う。酔いつぶれて目覚めれば、そこは我が家の布団の中——「送ってきたのは、赤鬼と青鬼にございます」。

一つ目入道の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

一つ目入道は、江戸の芝高輪(現・東京都港区)に伝わる一つ目の大男の妖怪。身の丈2メートルを超える巨体に一つ目を持ち、駕籠で人を屋敷へ招き入れては、山海の美酒佳肴と天上の調べでもてなす人外の宴の主として語られる。

出現

夕暮れに、身なりの良い武士と思われる一行が「家内に病人が出た」と貧しい医者を呼びに来る。案内されるまま駕籠に揺られ、なぜか目隠しをされて連れて行かれた先は、一つ目入道の待つ大きな屋敷。断る間もなく茶坊主が茶を運び、やがて仙女の誘う宴へと引き込まれていく。

伝承

一つ目の巨人を入道(僧形の大男)とする発想は各地に見られ、比叡山の一眼一足法師に由来するとの説や、地域によってタヌキ・キツネが化けたものとする伝承もある。寛延2年(1749年)の怪異を記した『稲生物怪録』の絵巻にも、一つ目入道の姿が描かれている。

特徴

身の丈2メートルを超える巨体と、爛々と光る一つ目を持つ。屋敷の主として振る舞い、仙女や茶坊主を従えて山海の珍味・美酒・天上の調べで客をもてなす。決して危害は加えず、酔いつぶれた客を赤鬼・青鬼に命じて自宅まで送り届けるという、もてなし上手な一面を持つ。

一つ目入道のカバー画像