塀越しに大笑いする巨女

倩兮女

けらけら女 / けらけらおんな

塀の向こうから聞こえる笑い声に、つい振り返ってはいけない。振り返った先には、塀などとうに超える大きな顔が待っている。

倩兮女の立ち絵

危険度・希少度

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

巨大な女。寂しい道で「ケラケラ」と大声で笑って人を驚かす。笑いの恐怖を象徴する。

出現

人通りの絶えた夜道や、家々の間の塀際に現れる。通りすがりの者がふと視線を感じて振り向くと、塀の上からのぞく大女と目が合い、次の瞬間「ケラケラ」という耳障りな哄笑を浴びせられる。声の主は闇に紛れ、二度と姿を見せない。

伝承

鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』(安永10年・1781年刊)の「雨」の部に「倩兮女」として描かれる。石燕は中国の故事「登徒子好色賦」に登場する、塀越しに三年間男を見つめ続けたという隣家の美女の逸話を引き、多くの人を惑わせた淫婦の霊がこの姿になったのではと解説している。石燕以前の絵本にも笑う女を描いた例があり、古くから知られた妖怪だったとみられる。

特徴

塀の高さをゆうに超える巨躯で、着物姿の女として描かれる。声をかけても答えず、ただ片手で口元を覆いながらけたたましく笑うだけで、危害を加えることはない。高知に伝わる「笑い女」のように、その声を聞いた者は驚きのあまり卒倒することがあるという。

倩兮女のカバー画像
楚の国宋玉が東隣に美女あり、牆にのぼりて宋玉をうかがふ

今昔百鬼拾遺