妖怪の家同士を取り持つ、結納の使者
化け物の結納
目録の口上はどこまでも折り目正しいのに、祝いの酒樽は自分の足で歩いてくる。人間の目には滑稽でも、化け物にとっては至極まっとうな婚礼の作法らしい。
概要
ももんじいと一つ目入道の家系が結納を交わす話。足が生えて自ら歩く酒樽などが進物とされる。
出現
人間が立ち会うことはまずないが、深夜の川べりでひっくり返った提灯や、ひとりでに歩き出す酒樽を見かけたなら、ももんじいの家と一つ目入道の家を結ぶ祝いの使いが通った後なのかもしれない。
伝承
見合いに始まり結納までを取り持つ、二つの化け物の家の縁談を伝える話で、化け物の世界のならわしは人間界とことごとく逆に運ぶとされる。婚礼を人間が忌み嫌う「不成日」に行う点に、その対比が表れている。
特徴
祝いの使いに立つ化け物たちは礼儀正しく目録の口上を述べる一方、大の酒好きで、もてなされるとさんざん飲み食いしてしまう。進物には足の生えた酒樽など自ら歩く品が選ばれ、逃げ出さぬようあらかじめ足をもいでおく念の入れようも見せる。