古戦場跡に群れ飛ぶ怨念の鬼火

古戦場火

闇の底に浮かぶ火は、ただ揺れている。誰の名を呼ぶでもなく、ただ、まだそこにいる、というだけのために。

古戦場火の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

合戦のあった土地に現れる、直径1メートルほどの鬼火の群れ。戦で命を落とした兵たちの妄執が消えずに残り、宙をふわふわとさまよう姿になったものとされる。

出現

人けのない古戦場跡を夜更けに通りかかると、地面すれすれの高さに青白い火の玉がいくつも浮かび、離れては近寄るのを繰り返す。まれに首のない武者が血まみれの姿で自らの首を捜し歩く様が交じって目撃されるという。

伝承

荻田安静の怪談集『宿直草』(1687年・貞享4年刊)には、大坂夏の陣で敗れた豊臣方の武士が無念のうちに討たれ、成仏できずに河内国若江の地を怪火となって漂うという話が記される。同書にこの怪火の固有名は無く、「古戦場火」の呼び名は、鳥山石燕が『今昔画図続百鬼』で合戦地に現れる怪火を総称して名付けたものである。

特徴

触れても火傷を負わせることはなく、追い払おうとするとかえって数を増すように見えるほかは、これといった攻撃を仕掛けてこない。多くは一晩中さまよって夜明けとともに消えるが、まれに交じる首のない武者だけは、朝が来ても戦場に踏みとどまり続けるという。

古戦場火のカバー画像