提灯の火を一息で消す老婆
吹き消し婆
ふっと闇が満ちた次の瞬間、誰かがすぐそばで笑ったような気がする。振り返っても、そこには誰もいない。
概要
提灯や行灯の火を一息で吹き消してしまう老婆の妖怪。陰の気をまとうとされ、陽の気である火を嫌って消して回るという。
出現
宴が更けた夜道や、灯りをともした家の中に現れ、誰にも気づかれぬまま提灯や行灯へ息を吹きかける。灯りが理由もなく消えたときは、この老婆の仕業と噂された。
伝承
鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』(1779年・安永8年刊)に描かれた妖怪で、江戸期の写本には「ふっ消し婆」の名でも見える。陰の気を帯びた存在は陽の気である火を嫌うためとされる。
特徴
灯りを消す以外に人へ手を出すことはなく、後に残るのはただ闇だけだという。姿を見せず息だけで火を吹き消すため、正体を見た者はほとんどいないとされる。