都に潜み、病の武将を縄で襲う巨大な山蜘蛛

土蜘蛛

僧の顔をした夜が、枕元でひと声もなく忍び寄る。斬られて怯んだ一瞬、覆っていた人の皮が剥がれ落ちる。

土蜘蛛の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

概要

病を患う源頼光の枕辺に怪僧の姿で現れて縄を放ち、名刀膝丸で斬り伏せられて姿を消したのち、家来に跡を追われて塚の中で本来の巨体を暴かれ、討ち取られたと伝わる大蜘蛛の妖怪。

出現

舞台は京の都、なかでも洛北の塚や洞穴の周辺。長患いの病人の枕辺に、僧や老婆、美女の姿を借りて音もなく近づき、縄や糸で搦め捕ろうとする。手傷を負わせて追い詰めない限り、その正体は容易に暴かれない。

伝承

源頼光の土蜘蛛退治譚は語り継がれる媒体によって姿を変える。原型とされる『平家物語』剣巻では怪僧の正体を暴く仇討ちの筋立てだが、絵巻『土蜘蛛草紙』では京の空を飛ぶ髑髏や美女に化けた怪異として、能『土蜘蛛』では葛城山に年を経た精魂が千筋の糸で立ち向かう鬼神として描かれ、討伐に使われた刀は「蜘蛛切」の異名で呼ばれるようになった。

特徴

人に化けて近づく擬態を得意とし、糸や縄を放って獲物の自由を奪う。まとう妖気は触れた者に長患いの病をもたらすほど強い。手負いになると血の跡を残して逃げ、ねぐらの奥でようやく全長数十丈ともいう山蜘蛛の巨体をさらけ出す。

土蜘蛛のカバー画像