陵地の禁を犯した者だけを追う土地の怒り

地の神

掘り返した土の底から、無数の足音が追ってくる。川面がぱしゃ、ぱしゃと跳ね、生ぬるい風が首筋を撫でる――鶏が鳴くまで、逃げ場はどこにもない。

地の神の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

概要

皇族の陵墓を築く地を誤って選び、土地の禁忌を侵した者を罰するとされる地霊。特定の個体名は持たず、禁を犯した本人だけを狙い、闇の中から執拗に追い立てる祟り神とされる。

出現

陵墓の造営に携わる役人や陰陽師が禁を破ったときに現れるとされ、日没後の野や川辺でまず気配を見せ始める。夜が更けるほど千人もの足音に似たざわめきと地鳴りが迫り、逃げ場を塞ぐように追い詰めてくるという。

伝承

『今昔物語集』巻二十四に見える説話で、陰陽師・慈岳川人が文徳天皇の陵地を定める際に方角を誤り、土公神の禁忌に触れたため地神に追われたと語る。同集は作者・成立年未詳だが、平安末期の院政期頃の編とされる。

特徴

定まった姿を持たず、破られた禁忌に応じて土地そのものが牙をむくように振る舞う。闇の中で揺らめく光や川面が跳ねる音として気配を示すのみで、実体を捉えることは難しい。読経や秘術に免じて夜明けとともに追跡をやめる。

地の神のカバー画像