同じ場所に居着き通行人を脅かす霊
場所に住む霊
雷が男と馬を裂いた夜から、その一角だけは何かがおかしい。都ができ、通りができても、そこだけは昔のままなのかもしれない。今日そこを行き交う誰かも、知らぬ間に肝を冷やす一人になる。
概要
場所に住む霊は、特定の場所そのものに居着くとされる霊の総称で、個人ではなく土地に取り憑く点に特徴がある。京都・三条通り北の一角では、雷に打たれて死んだ男と馬の霊が居着いたと伝わり、都ができ人が暮らすようになった後も立ち去らなかったという。
出現
現れるのは、かつて鬼殿と呼ばれた三条通り北の一角。人が大勢暮らすようになった今でも、この場所を行き来する者は時おり原因の知れない怪異に見舞われるという。姿かたちを見せることはまれで、居合わせた者が思いがけない出来事に遭って初めて、何かが居着いていると気づかされる。
伝承
都がこの地に移される以前、そこには大きな松の木があった。馬に乗り矢を負って通りかかった男が、にわかの雷雨に松の下で雨宿りをしていたところ、雷が松に落ちて男も馬も命を落とした。その霊はこの場所を離れず、鬼殿と呼ばれるようになった後もそこに留まり続けたと伝えられる。
特徴
場所に住む霊は、人ではなく土地そのものに取り憑くため、恨みの対象を選ばず、そこを通る者すべてを等しく相手にする。長い年月がたっても移り住むことがなく、周囲がどれほど変わろうと同じ場所に居座り続ける。現代でいう魔の踏切や事故の名所も、同じ理屈で霊がすみついた場所なのかもしれない。