塵芥から生まれた妖怪たちの王
塵塚怪王
掃除もされず、開けられもしない唐櫃の底で、塵は積もり積もって、いつしか山姥の王となった。
概要
鳥山石燕の妖怪画集『画図百器徒然袋』に描かれた妖怪。長い年月の間に積もり積もった塵芥(じんかい)が凝り固まって生まれたとされ、塵から生じる山姥などの妖怪たちを束ねる長(王)とされる。
出現
長らく手入れされず埃や塵が積もったままの蔵や物置で、唐櫃(からびつ)の蓋をこじ開けようとする巨大な姿として描かれている。誰も寄りつかなくなった場所に積もり積もった塵芥が凝って、いつの間にか蓋の下にわだかまっているのだという。
伝承
天明4年(1784年)刊の『画図百器徒然袋』で石燕は「ちりつもりてなれる山姥とうの長なるべし」と記し、この妖怪を塵から生まれた山姥のたぐいの長とした。名は『徒然草』第七十二段にある「あまた見苦しからぬもの……塵塚の塵」の一節から採られ、器物のみならず塵芥までも妖怪に見立てる石燕らしい着想から生まれたとされる。
特徴
長い歳月をかけて積もった汚れが自ずと凝り固まって生じるため、住処となる蔵や屋敷が荒れ果てるほど力を増すとされる。山姥のたぐいを束ねる長として、塵から成る眷属たちを率いる立場にあるが、その具体的な力や行動については、石燕自身も詳しくは語っていない。