赤子を抱いて夜道に立つ、産女の怪

夜行遊女

その腕に抱かれているのは、赤子か、木の葉か。渡し場で差し出されても、決して立ち止まってはいけない。

夜行遊女の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

難産で亡くなった女の幽霊とされる怪。常に赤子を抱いた姿で現れ、通りがかりの者に赤子を託そうとする。中国の姑獲鳥(こかくちょう)が由来とされる。

出現

美濃国(現・岐阜県)の渡し場に、夜更けの川を渡る者の前へ音もなく現れるという。源頼光の四天王の一人・卜部季武が肝試しに向かった際にも、この渡し場で行き合ったと伝えられる。

伝承

『今昔物語集』巻二十七には、季武が渡し場で女から赤子を託され、抱いたまま屋敷へ持ち帰ると、腕の中身がいつの間にか木の葉に変わっていたという話が収められている。この女は産女(うぶめ)の別称ともされ、中国明代の『本草綱目』が記す姑獲鳥――羽毛をまとえば鳥、脱げば女になるという鬼神――に由来するという説が古くから唱えられてきた。

特徴

赤子を抱かせておきながら、後を追ってでも取り返そうとする執着深さが特徴とされる。抱いたまま逃げ切れば正体(木の葉)が露見して事なきを得るが、素直に返してしまえば、いつまでも後をついてくるとも語られる。

夜行遊女のカバー画像
この赤子を抱いて下さい

今昔物語集