長い舌で天井を舐める者
天井嘗め
天井嘗 / 天井なめ / てんじょうなめ
その染みは、雨漏りではないのかもしれない。
概要
鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた妖怪。背が高く、誰もいないあいだに長い舌で天井を嘗める。嘗められた跡には染みが残るという。
出現
現れるのは、人の絶えた座敷や古い寺の一室。天井裏でもない高みへすっと背を伸ばし、垂らした長い舌で板の面をひと嘗めしていく。冬にひときわ天井が寒々しく、灯りが暗いと感じたら、通り過ぎた後かもしれない。
伝承
描かれるのは、長い舌で天井を嘗める姿。石燕は徒然草第五十五段の「天井の高きは、冬寒く、燈暗し」を引き、天井が寒く暗いのをこの妖怪の仕業と見立てた。意匠は室町期の百鬼夜行絵巻に見える、顔を上げ舌を伸ばした妖怪に基づくとされる。
特徴
すらりと背が高く、口からは天井に届くほど長い舌を伸ばす。人の目を避け、静まった部屋の天井をゆっくりと嘗めていく。舌の通った跡には黒い染みが残り、部屋の空気を寒く、灯りを暗く沈ませるという。
天井の高きは、冬寒く、燈暗し
徒然草