斬られて正体を現した化けの石
妖怪石
斬った手ごたえは、肉ではなく石だった。
概要
若い女に化けて夜道に立つ石の妖怪。行く手を阻まれた者が刀で斬りつけると女は跡形もなく消え、近くの巨石に太刀の疵が残り、あるいは石が二つに割れていたという。姿より、斬られて正体を現す点で知られる。
出現
里外れの暗い路上で人の前をふさぐのが常で、声も通じぬ女に抜き打ちを浴びせると姿はかき消える。翌朝その一帯を検めると、大石に真新しい刀傷が刻まれており、女の正体が石であったと里人は悟る。
伝承
山形県白鷹町に、夜道の女を斬ったところ石になり、今も太刀の疵が残ると伝わる。女が刀で斬られて正体の石を現す筋は各地にあり、岩手県のゴエモンイシは美女を斬ると姿が消え後日巨石が二つに割れていたと、国際日本文化研究センターの伝承資料に記録される。
特徴
ふだんはただの巨石でありながら、夜に限って女へと化け、道をふさぐ。刃を受けると人の姿を保てず本体の石へ戻り、その一撃の跡だけが証しとして残る。斬った疵が石に刻まれる点が語りの要で、化けの正体を暴く印として今に伝えられている。