山に棲む、義理堅い毛深の巨人

山男

大人 / 山丈 / 異獣

礼はいらぬ、と金を突き返す。だが焼飯ひとつ握らせれば、この六メートルの影はお前の荷を担ぎ、峠の向こうまで黙って歩く。

山男の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

深山にすみ、力が非常に強い。怪我をした人を背負って崖を登り、医者まで送り届けるような義理堅さを持つ。

出現

秋葉の奥山や雪深い峠で、重い荷に難儀する木こりや人足の前に、毛むくじゃらの大男がぬっと現れる。身の丈は見上げるほどで、言葉を交わすでもなく荷を軽々と肩へ担ぎ、里の近くまで運んでは山へ引き返していく。焼飯や酒を差し出せば喜んで受け取るが、金銭にはまるで見向きもしない。

伝承

『北越雪譜』二編巻四には、越後の山道で人足の竹助が猿に似た異獣に焼飯を与えると、恩義を感じて荷を一里半も運んだと記される。遠州秋葉の山男も荷や病人を運んでは礼の酒を受けたと伝わり、青森では「大人(おおひと)」、高知では「山ミコ」と呼ばれ、各地の地誌に姿を留めた。

特徴

身の丈2丈(約6メートル)ともいう巨躯に、赤みがかった長い髪と灰色の肌をもつ毛深い大男。人並み外れた怪力で大岩や重荷を軽々と担ぎ、切り立った崖を這い登る。人を襲う荒々しい伝えもあるが、多くは山で難儀する者を助け、酒と煙草を好んで金銭を受けない義理堅さで知られる。

山男のカバー画像