偽りの神託で世を惑わす、御幣の妖怪

幣六

その御幣が指す先に、吉も凶もありはしない。ただ振り回されるのは、告げを真に受けた者ばかり。

幣六の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

御幣を手にした、赤鬼のような姿の妖怪。偽りの神託で人々を惑わし、世を騒がせたとされる。鳥山石燕の画集に描かれた、付喪神の一種ともいわれる存在である。

出現

どこからともなく現れ、御幣を高く振りかざして駆けながら、「ご神託である」と称して偽りの知らせを触れ回る。花の都に社も定めぬまま荒ぶる心が神の騒ぎとなって現れ出たものかともいわれ、真偽の定かならぬ噂に、聞かされた人々は右往左往させられるという。

伝承

名の由来は不明とされる。上半身に何も着けず御幣を手にしたその姿は、室町の『百鬼夜行絵巻』に描かれた赤鬼によく似ており、これを下敷きに鳥山石燕が『画図百器徒然袋』へ写したものと考えられている。月岡芳年の絵では肌が赤く彩られ、赤鬼のごとき姿として描き継がれた。

特徴

この妖怪の下敷きとされるのが、茨城・鹿島神宮に仕える神人「鹿島の事触」である。彼らは年中の吉凶を占い、その年の豊凶などを神託として各地に告げて回った。その神人の列に幣六のような者が紛れ込み、偽りの告げを触れ回っていたのではないかと想像されている。

幣六のカバー画像