雷雨を呼ぶ怪を和尚が伏せ、傘に捺させた誓いの手形

手形傘

――墨に濡れた掌がぺたりと唐傘を打つ。二度とこの寺に雷は落ちぬ、という証しに。

手形傘の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

甲府の一蓮寺に伝わる怪異と、その証しとされる品を指す。葬列を雷雨で襲った怪物が寺の和尚に取り押さえられ、二度と嵐や雷で寺と檀家を害さぬと誓って、墨をつけた手を唐傘に捺していったという。以後その傘は雷除けとして葬儀に用いられた。

出現

葬儀の場に現れる。棺を送る列が墓地へ向かううち、にわかに空がかき曇って雷鳴がとどろき、雨の中から怪が檀家めがけて手を伸ばす。以後、手形を捺した傘を葬列に差し掛ければ、雷雨の難を避けられるとされた。

伝承

江戸時代の甲府勤番士・野田成方の記録『裏見寒話』に載る一蓮寺の話に由来する。葬式を襲った怪を、怪力ゆえに『朝比奈和尚』と呼ばれた住職が組み伏せ、非を悔いた怪に誓いを立てさせた。字を知らぬ怪は墨をつけた掌を唐傘に捺して証しとし、その痕は大きな猫の足跡のようだったという。

特徴

雷雨を思うままに呼び、稲妻とともに人へ襲いかかる。だが字も書けぬほど無学で、力ずくで抑え込まれ誓いを立てれば固く守る律義さも併せ持つ。掌は猫の足のように肉づき、墨を捺せばくっきりと手形が残る。傘の手形は、その誓いを封じる護符として働く。

手形傘のカバー画像