猫を狩る、年経た三毛の大鼠

旧鼠

猫いらず、と人はいう。だがこの家の猫が減るのは、毒のせいではない。天井裏で、赤白黒の毛並みが、じっとこちらを見下ろしている。

旧鼠の立ち絵

危険度・希少度

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

年を経て怪異な力を得た鼠。並はずれて長く生きた鼠は、本来なら天敵であるはずの猫を捕食するほどの力を得るという。『絵本百物語』などに、地域ごとに異なる姿と逸話をもって描かれ、赤・白・黒の三毛の大鼠として知られる。

出現

古い納屋や厩、人里離れた寺社の床下など、鼠が長く棲みつく場所に現れるとされる。中型犬ほどにも育った姿は、もはや容易に鼠とは見分けられない。飼い猫が次々と姿を消す家で、その正体として囁かれた。

伝承

『絵本百物語』には、大和国信貴に赤・白・黒の三毛の年経た大鼠がいて、常に猫を捕らえ食ったと記される。一方、文明年間の出羽国では、毒で死んだ雌猫の子猫五匹を夜ごと乳で育てた個体が語られる。『華夷考』は、年経た鼠には猫のほうが引き寄せられ、自ら弱って死ぬとする。

特徴

常の鼠が齢を重ねるほどに膂力を増し、ついには猫を狩る側へと転じる。鋭い牙で猫を噛み殺し、群れを追い散らすほどの力を持つ。人を襲ったという例は伝わらず、時には親を失った子猫を育てるなど、その気性は一様でない。

旧鼠のカバー画像