水辺の妖怪を退ける知恵

河童から身を守る方法

頭を下げれば、律儀な河童は下げ返す――皿の水がこぼれた刹那、勝負はもう決している。金物ひとつ、飯ひと箸、そして道真公の名。渕の主を退ける知恵は、こんなにも身近にあった。

河童から身を守る方法の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

C
稀少性

広く知られるが、日常で出遭うことはまれ。

概要

河童の害から身を守るために各地で語り継がれてきた撃退・忌避の作法の総称。金物や仏飯、瓢箪、鹿の角、麻幹など河童が嫌うものを用いる方法と、九州で唱えられた菅原道真ゆかりの呪文が知られ、要は皿の水を失わせ、その力を封じることにある。

出現

川や淵、沼の岸辺で相撲を挑まれ、あるいは水中へ引きずり込まれかけたときに用いる。多くは事が起きてからの護身というより、水練に入る前や、子どもを水辺へやるときに、あらかじめ唱え、身に帯びておく備えとして伝えられてきた。

伝承

呪文の背景には、大宰府へ左遷された菅原道真が河童を助け、その礼に河童が道真の一族へは害を加えぬと約束したという言い伝えがある。九州の潮見神社の宮司毛利家には「ひょうすべよ約束せしを忘るなよ川立おのがあとはすがわら」の唱えごとが伝わり、水難よけとして今に残る。

特徴

撃退の要は、頭の皿の水を失わせて力を奪うことにある。相撲の前に一礼を返させて皿をこぼさせ、仏前に供えた飯を食べておけば負けないという。鉄や金物、鹿の角、宿敵の猿、削った麻幹を嫌うため、これらを身近に置けば近寄らないと信じられた。

河童から身を守る方法のカバー画像