海から糸をたぐり寄せて現れる、笑う毛むくじゃらの小僧

海小僧

糸を垂らせば、糸が引く。手ごたえに胸を高鳴らせて引き上げれば、水面から現れたのは魚ではなく、目まで毛に埋もれた小さな笑顔だった。海はときどき、こちらを釣りにくる。

海小僧の立ち絵

危険度・希少度

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

海面に現れてニッコリと笑う、全身が毛に覆われた子供姿の妖怪。河童の一種とされ、海に潜む「水中の小僧」として各地の海辺に伝わる。人に悪さをするものもいれば、ただ笑うだけの無害なものもいるという。

出現

釣り人が海に垂らした糸を、海中からたぐるようにして水面へ上がってくる。目の際まで毛をかぶり、姿を見せるとニッコリ笑うので、見た者はかえって恐ろしくなる。海に潜った漁師や海女が、蓑をまとった三歳ほどの子供の姿と出くわすこともある。

伝承

静岡県賀茂郡南崎村(現・南伊豆町)の仏島では、糸をたぐって上がってきた毛深い小僧に笑いかけられ、驚いた釣り人があとで地蔵尊を建てたと伝わる。岩手県下閉伊郡普代村でも、海中に毛の生えた蓑を着た子供のようなものがいたといい、漁師は潜る前に舟の舷を叩いて戒めあった。海坊主と同じく河童の一種とみなされる。

特徴

海を住処とし、河童と同じく水中で暮らす。ただ笑って人を驚かせるだけのものもいれば、悪戯を働くものもいる。三重県志摩地方ではシリコボシと呼ばれ、水中で働く海女に恐れられた。全身をおおう毛と、水面にのぞかせる無邪気な笑みが目印。

海小僧のカバー画像