子供だけが覗く化け狸の祝言

狸の婚礼

縁の下がぼうっと明るい。覗いた子だけが、狸の花嫁の白無垢を見る。

狸の婚礼の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

縁の下などで結婚式を行う。子供にしか見えないが、非常に賑やかに行われる。

出現

夕暮れから夜、家の縁の下や薄暗い座敷から、不意に提灯の灯と囃子がにじみ出す。覗き込んだ童の前では、花嫁行列と祝言の宴が賑々しく繰り広げられ、狸たちの晴れの席が営まれている。

伝承

狐と人との婚姻譚は各地に多いが、狸のそれはほとんど語られず、狸の婚礼はもっぱら子供の目にしか映らないとされる。香川の山村では、夕方や小雨のときに青い灯の提灯行列が連なるのを狸の嫁入りと呼び、狸が自らの尻尾に唾をつけて振ると灯がともって見えると説いた。

特徴

床下を宴の場とし、一族総出で花嫁行列と祝言をしつらえる。提灯を掲げ囃子を鳴らして華やかに振る舞うが、大人が覗こうとすると気配ごとかき消え、痕跡ひとつ残さない。阿波では化け狸の得意芸のひとつに数えられた。

狸の婚礼のカバー画像