汲めど尽きぬ福の水瓶
瓶長
汲めど尽きぬは水ばかりにあらず。この瓶が湛えているのは、めでたさそのものである。
概要
幸せを満たした水瓶の付喪神。いくら汲んでも中の水が尽きることなく、飲む者に福を分け与える、妖怪には珍しい吉祥の存在。
出現
台所や水屋に長く据えられた古い水瓶に宿る。歳月を重ねた瓶にいつしか目鼻と口が浮かび、朝な夕なに水を汲んでも、なぜか水位が一向に減らない——そこに瓶長がいる。
伝承
鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれる。添えられた狂歌は、酌めども尽きず飲めども変わらぬめでたさをあらかじめ知らせる瓶であろうか、と夢のうちに思った、と詠む。災いは吉事の福するところ、という言祝ぎの心が込められている。
特徴
中の水がどれほど汲んでも減らず、絶えず清らかな水を湛える。人を害する力はなく、むしろ尽きせぬ恵みと福をもたらす。歳を経て、水を自在に操るとも語られる。