芝居に狂うた日本三名狸

芝右衛門狸

木の葉は小判に、狸は翁に。だが芝居を見たさばかりは、化けても隠せなかった。

芝右衛門狸の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

概要

日本三名狸の一つ。老人に化けて人間と交流し、知恵を授けたが、芝居見物の最中に犬に噛まれて死んだ。

出現

淡路島洲本の三熊山、その頂に妻お増と棲む。月の明るい夜には山あいに陽気な腹鼓が響き、里の者はそれを聞いて狸の在処を知った。ときに人の姿を借りて里へ下り、店先に立つこともあったという。

伝承

佐渡の団三郎狸、屋島の太三郎狸と並ぶ日本三名狸の一つ。木の葉を銭に見せて買い物をする悪戯を働く一方、酔って山で迷った者を家まで送る情け深さもあり、里人に憎まれなかった。大阪の中座の芝居に通ううち、木戸口で犬に嗅ぎつけられて正体を現し、追い立てられて打ち殺されたと語られる。桃山人『絵本百物語』にその名が見える。

特徴

化け術に長けた古狸で、木の葉を小判に変え、翁にも大名行列にも姿を変える。腹鼓の名手で、その音が絶えたことで死が里に知れたという。無類の芝居好きが身の破滅を招いた。死後は三熊山に芝右衛門大明神として祀られ、中座でも守り神とされた。

芝右衛門狸のカバー画像