狐狸を超える九化けの獣

テン / てん

狐は七、狸は八。だが最後にひとつ多く化ける影を、村人は名で呼ぶことさえ憚った。

貂の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

狐や狸をしのぐ変化の名手とされる獣の妖怪。九とおりにも姿を変えるといい、化ける獣の随一に数えられる。その影を見かければ火難や凶事の前触れとして各地で恐れられた。

出現

山あいの集落や人家のそばに現れる。とりわけ数匹が梯子のように絡み合って火柱と立つのを家の近くで見れば、その家はやがて火事に見舞われると恐れられた。

伝承

三重県伊賀地方には「狐七化け、狸八化け、貂九化け」の言い回しがあり、テンを化ける獣の随一とする。鳥山石燕『画図百鬼夜行』は絡み合って火柱をなす姿を描き、広島県ではこれを殺せば火難に遭うと戒め、秋田・石川では横切ると凶事の兆しと伝える。

特徴

九つもの姿へ自在に化けるといい、狐狸の術をも上回る。とりわけ火を呼ぶものとして畏れられ、群がり燃え立って火災を予兆する。人里の禍福に深く関わり、むやみに手をかければ災いが我が身へ返るとされた。

貂のカバー画像