恨みに憑く山林の悪気
邪魅
恨みは種火。誰かが胸にそれを灯したその時、悪気はもう、その者の背に立っている。
概要
魑魅の類とされる妖邪の悪鬼。山林の悪気から生じ、姿は獣めいて曖昧だが、人に取り憑いて害をなす憑き物のようなものと語られる。中国に由来し、日本の妖怪画にも描かれた。
出現
山中や人里の陰にひそみ、他人から深い恨みを買った者だけをひそかに狙って取り憑くとされる。憑かれた者は原因の知れぬ病に伏すが、悪気そのものはなかなか目に見えない。
伝承
「魑魅の類なり、妖邪の悪気なるべし」と評され、山川の精である魍魎と並ぶ自然の妖として語られてきた。晋代の古書には、仙人が悪気に憑かれた病者を癒したという記述も残る。
特徴
定まった姿を持たず、悪気となって音もなく人の内へ忍び入る。取り憑いた相手の身を少しずつ蝕んで衰えさせ、恨みが濃いほど祟りも重いという。人を害する妖の総称とも、山神の一種とも伝えられる。