駒下駄を鳴らして通う恋の亡霊

牡丹灯籠

ぼたんどうろう / 怪談牡丹燈籠 / 牡丹燈籠

カラン、コロン。その下駄の音が近づくたび、戸の隙間に牡丹の灯がにじむ。開けてはいけない。開ければ、白骨の腕に抱かれて、朝には冷たくなっている。

牡丹灯籠 figure art

Danger and Rarity

A
戦闘力

人の命を奪う明確な攻撃手段を持つ。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

Overview

牡丹灯籠は、中国明代の怪異小説を源流とし、日本で語り継がれてきた怪談。旗本の娘お露が、恋い焦がれて死んだのちも牡丹の絵灯籠を提げ、夜ごと恋しい男のもとへ通う亡霊として語られる。四谷怪談・皿屋敷と並び、日本三大怪談の一つに数えられる。

Encounter

盆を迎えた夏の夜、駒下駄のカラン・コロンという乾いた音が近づいてくる。見れば、牡丹をあしらった絵灯籠を提げた女が、供の者を連れて訪ねてくる。生前と変わらぬ美しい姿で睦言をささやくが、その正体を隣人に告げられて初めて、通ってきたのが死者だと知れる。

Lore

原典は瞿佑『剪灯新話』の一編で、浅井了意が『御伽婢子』(1666年)で舞台を日本に移して翻案した。三遊亭圓朝の噺では、幽霊と知った男が海音如来の守り本尊と雨宝陀羅尼の御札で家を封じるが、金で買収された下男夫婦が御札をはがし、封じの解けた男はお露に取り殺される。

Traits

白骨と化した身でありながら、灯籠の淡い光のなかでは生前の艶やかな姿で現れ、契りを結んだ男を骨のまま抱きすくめて死へ引き込む。守り本尊や陀羅尼の御札には近づけず、封じられれば戸口で立ち尽くすほかない。だが札が失われれば、想いを遂げるまで通うのをやめない。

牡丹灯籠 cover image