冬の山へ籠る河童の裏の顔
カシャボ
カシャンボ / ガシャンボウ / ゴウライ / 五来法師 / ドンガス / ガオロ / ゴランボ / オンガラボーシ
川が凍える頃、河童は衣を替えて山へ登る。姿は消え、残るのは灰の上の水かきの跡ばかり。犬だけが、暗がりに向かって静かに吠える。
Overview
紀州南部(現・和歌山県)に伝わる河童の一種。夏に川で暮らす河童が、冬になって山へ入るとカシャボ(カシャンボ)になるとされる。ドンガス、ガオロ、ゴランボなど地域ごとに呼び名が変わり、六、七歳ほどの子供の姿をした山の妖怪として語られてきた。
Encounter
秋から冬にかけて熊野の山中に現れる。川を遡って挨拶に来た河童が、そのまま山へ籠ってカシャボになるという。人の家の周りにも人懐こくやってくるが、その姿は人の目には映らず、牛小屋や馬をつなぐあたりに気配だけを残していく。
Lore
柳田國男の山島民譚集や南方熊楠の著述に見え、石川純一郎の河童研究などにも記録される紀州の伝承。夏の河童が冬に山へ入ってカシャボになるという季節による呼び分けや、犬や馬には見えるが人には見えないといった特徴が各地で語り継がれてきた。
Traits
六、七歳ほどの背丈で、芥子坊主のような頭に青い衣をまとう。人の目には見えないが犬や馬には見えるという。悪戯好きで、山で働く馬を隠したり、牛小屋の牛に涎のようなものを吐きかけて苦しめる。灰を撒いておくと、水鳥のような水かきのある足跡を残していく。