逢えば病む、渦巻く悪しき風

カゼ

悪風 / 行き逢い神 / ウネメカゼ / ゴロカゼ / ミサキカゼ / ハカゼ

晴れた道に、風もないのに背筋が凍る。それはもう、カゼの通り道に踏み込んだ後だ。三度唾を吐いておけばよかったと、悔いる頃には遅い。

カゼ figure art

Danger and Rarity

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

C
稀少性

広く知られるが、日常で出遭うことはまれ。

Overview

自然の風でも病名の風邪でもなく、逢えば病むとされた妖怪としての風。九州、ことに宮崎県で全国的に知られ、通り道が決まっているともいう。そこを通った者は大抵気分が悪くなり、悪風・行き逢い神とも重なる怪異である。

Encounter

山道や野を歩くうち、天気も良く風もないのに急に悪寒が走ると、それがカゼとの遭遇である。カゼには行き逢う場所が決まっているといい、その一筋を通り抜けた者は大抵気分を損なう。五島列島では、これに憑かれることを風を負うといった。

Lore

各地の民俗調査に記録され、宮崎県で広く知られる。西郊民俗には風の中に妖怪が渦巻くとの伝えがあり、絵本百物語巻五の風の神も同系とされる。西米良村では他人を呪う祈りが病死を招き伝染する例をカゼと呼び、人名を付けてウネメカゼ、ゴロカゼなどといった。

Traits

風に乗って土地から土地へ移り、人を見れば悪しき気を吹きかけて病を負わせる。行き逢う道筋を持ち、そこを通る者に取り憑いて病死へ導くこともあり、死者を介してさらに他者へ感染する。狐の風を負ったなら、狸に祈らせれば正気に戻るという。

カゼ cover image
風にのりて所々をありき人を見れば口より黄なるかぜを吹かくる其かぜにあたればかならず疫傷寒をわづらふ事とぞ

絵本百物語