供養を求めて病を負わせる島の障り
インネン
恨みではなく、忘れられた供養を求めて島の家々に取り憑く。
Overview
長崎県五島列島の福江島に伝わる憑き物。人に取り憑いて病気や不和をもたらす霊的な障りの総称で、単一の妖怪ではない。死霊・生霊・動物霊・河童・神仏など様々な霊がその正体とされ、供養を求めて生者へ害を成すと語られてきた。
Encounter
原因の分からぬ病や家庭の不和、事業の不振に見舞われたとき、その背後にインネンが疑われる。取り憑かれた者は精神の異常や内臓の疾患、皮膚病といった心身の変調に苦しみ、ホウニンと呼ばれる呪術師のもとを訪ねてはじめて障りの正体と要求を知らされることになる。
Lore
供養不足への要求や何らかの知らせのために霊が害を成すという民俗的な説明として伝わる。ホウニンはインネンを自らに憑依させ、言葉を交わして要求を受け入れることで祓うとされる。ある家では平家の末裔の墓が地にあったと語られた事例も伝わる。
Traits
特定の姿を持つ怪物ではなく、死霊・生霊・動物霊・河童・神仏など多様な霊を一括りにする総称である点が特徴。害の目的は攻撃そのものではなく、供養や知らせの要求にある。祓いにはホウニンによる憑依儀礼を要する。