相撲を挑み夜通し化かす土佐の小妖怪

シバテン

芝天 / 芝天狗 / シバテング

田舎道の夕暮れ、藪の陰から声がする。相撲取ろう、取ろう。振り返れば、毛だらけの小さな影が両手を広げて待っている。一つ受ければ最後、月が沈むまで放してはくれない。翌朝、泥まみれで帰った男は言う――シバテンに捕まった、と。

シバテン figure art

Danger and Rarity

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

Overview

シバテンは四国の高知県(土佐)や徳島県に伝わる妖怪で、「芝天」「芝天狗」とも書く。河童に近い妖怪、あるいは河童の一種とされる。身長一メートルほどの毛深い子供のような姿で、無類の相撲好きとして知られ、田舎道や川辺で人を見かけると執拗に相撲を挑んでくる。山童や猿猴(エンコウ)とも近い存在とみなされてきた。

Encounter

田舎道を歩いていると藪の中からひょいと現れ、「相撲取ろう、取ろう」と挑みかかってくる。小さな体に似合わず力は大人を上回り、一度応じると化かされて一晩中相撲をさせられ、石や藁を相手に取らされることもある。土佐郡土佐山村では、旧暦六月七日の祇園の日に川へ入って猿猴になるとも伝わる。

Lore

シバテンは高知県・徳島県を中心に語り継がれた妖怪で、河童の一種、あるいは芝天狗と称される。土佐山村では旧暦の祇園の日に川へ入って猿猴になるといい、山に入れば山童になるとも伝えられ、山童・河童・猿猴と互いに地続きの存在として捉えられていた。徳島の祖谷山地方では山中で木を倒す音を立てる怪として語られる。

Traits

見た目は小柄な子供だが、力は人間の大人をしのぐ。最大の特徴は無類の相撲好きで、人を見れば時と場所を選ばず勝負を挑む。応じた相手を化かして夜通し取り組ませ、時には石や藁を人と見せかけて相撲を取らせる。旧暦六月七日には川へ入って猿猴となり、山へ入れば山童となるなど、姿を変えて水辺と山を行き来する。

シバテン cover image