曇天の海底に現れる、もう一人の自分
共潜
海の底で会う自分に、笑い返してはいけない。鮑を差し出されたら、後ろ手で受け取って、決して振り向かずに浮かび上がることだ。
Overview
海底で海女自身の姿に化けて現れ、深い方へ誘う。出会うと死ぬとされる。
Encounter
志摩地方の曇天の日、海女が一人で海底に潜ると、自分の船以外に誰もいないはずの暗い海中に、自分と瓜二つの姿が現れてにやりと笑いかけてくる。逃げて浮き上がっても、再び潜ればまた同じ姿が待っている。
Lore
海女たちの間で語り継がれてきた伝承で、三重県の志摩・鳥羽地方を中心に伝わる。福井県沿岸部にも「海海女」と呼ばれる類似の存在が伝わっており、各地の聞き取り調査によって記録されてきた。
Traits
海女と寸分違わぬ姿をしているが、鉢巻の端が異様に長く垂れているのが見分ける手がかりになるという。鮑を差し出して深みへ誘い込もうとするが、後ろ手のまま受け取れば、正体を見破られても手出しをしてこない。