精霊棚で先祖をもてなす盆の灯籠

切籠灯籠

灯りが一つ増えるたび、今年もまた誰かが帰ってきたと分かる。

切籠灯籠 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

C
稀少性

広く知られるが、日常で出遭うことはまれ。

Overview

灯籠の化け物。盆に集まった先祖の霊たちに対し、食事の給仕をする役目を担う。

Encounter

盆の三日間、迎え火に導かれて先祖代々の霊が精霊棚に一度に集まりくつろぐ、その席に立つ。目や口を持つ灯籠の姿で棚の中央に据えられ、「よろしくおあがりなさいませ」と声をかけながら、山と積まれたご馳走を一人ひとりに配って歩く。

Lore

鎌倉時代初期の藤原定家の日記『明月記』には、盆に灯籠を点す記述がすでに見える。室町時代後期の『実隆公記』には「きりこ燈籠」の語が記され、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』(1713年)にも掲載されるなど、立方体の角を落とした吊り灯籠は古くから盆行事に用いられてきた。

Traits

先祖代々の霊を一度に給仕するため、盆のあいだは休む間もなく立ち働く。幼くして世を去った子の霊には母の霊が寄り添って食べさせ、後妻の霊が来れば先妻の霊と諍いが始まり、長寿を全うした姑の霊は今なお周囲に小言を言っては煙たがられる。姿こそ幽霊でも、その席の人間模様は現世とほとんど変わらない。

切籠灯籠 cover image