男五人分の怪力を振るう亡霊
力持ち幽霊
その腕は、生きていたときよりも死んでからのほうが強かった。
Overview
両脇に鱗を持つ怪力の幽霊。邪魔な者を谷底へ投げ飛ばすほどの力を持つ。
Encounter
石川県能州飯山谷入りの神子ヶ原という村に、かつて男四、五人分の働きをこなす怪力の女がいた。病で世を去ってから十七日目、女は幽霊となって夫の前に現れ、そのまま取り殺してしまう。以後、女の墓の周りや、墓を暴いた者の前に繰り返し姿を現すようになったという。
Lore
この話が伝わるのは江戸時代前期・延宝年間(1673〜1681年)のこととされ、随筆『四不語録』2巻「女の幽霊」に収められている。女は脇の下に鱗が生え、乳が異様に長かったと記されており、その異形が生前から人ならぬ者であったことをうかがわせる。
Traits
死してなお、生前の怪力は少しも衰えない。土を埋め直されれば怒って取り憑き、魔除けの名刀を借りられている間だけは大人しくなるが、刀を返せばまた姿を現す執念深さを見せる。最後は自分に逆らった男を捕らえ、十メートル下の谷底へ投げ落とすほどの怪力を見せつけた。