古城の跡に浮かぶ、嗤う巨首

大首

振り向けば、そこに笑う女の顔。ただし、首から下はどこにもない。御城山の草を踏む音は、今日もまだ止んでいない。

大首 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

Overview

鉄漿をつけた巨大な女の首だけの妖怪。古城の台などから現れて人を笑いかけ、恐怖に陥れる。

Encounter

山口県岩国市の御城山、かつて城のあった山中でワラビなどの山菜を採っていると、木々の合間から見上げるほど大きな女の首がぬっと現れることがあるという。声をかけるでもなく、ただにこにこと笑いかけてくるその顔に出くわした者は、我を忘れて山道を転げるように駆け下りたと伝わる。

Lore

岩国藩の怪異を集めた『岩邑怪談録』の「古城の化物の事」に記された話で、御城山でワラビ採りをしていた下働きの女が一丈(約3メートル)ほどの女の生首に遭遇したとする。同種の巨大な女の首の怪異は石川県金沢の随筆『三州奇談』にも記され、既婚女性の証である鉄漿を浮かべた笑い顔が各地で語られてきた。

Traits

胴も手足も持たず、ただ首だけが宙に浮かぶようにして現れる。噛みつく、絞めるといった直接の攻撃はせず、鉄漿を見せてにたにたと笑いかけることだけで相手の正気を奪う。物音も気配もなく現れては消え、正体は成仏できない怨念とも、人を化かす狐狸ともいわれ定まらない。

大首 cover image