夜半に天井から降りる稚児
天吊るし
天吊し / てんつるし
降りてくるのは稚児の形をした、稚児ではない何かだ。
Overview
山梨県北巨摩郡に伝わる怪異。夜中に天井から稚児のような姿のものが降りてくる。見る者を不気味がらせるが、人に害はなさないという。
Encounter
現れるのは、寝静まった家の天井。夜半にふと見上げると、稚児のような小さなものがするりと降りてくる。掴もうとすれば消え、また別の夜に降りてくる。害はないが、繰り返されるうちに家の者は薄気味悪さに耐えかねてしまう。
Lore
土地の口碑として伝わる。進藤某の家で夜ごと稚児のようなものが天井から降りるのを度々見て不審に思っていたところ、来合わせた神主が祈祷しながら家のまわりを回ると、以後降りてこなくなったという。天井下りの類話とされる一方、こちらは民間伝承として語られる。
Traits
夜のあいだだけ、天井から稚児の姿をとって静かに降りてくる。人を襲うことも物を損なうこともなく、ただ現れては消える。神職の祈祷には弱く、家のまわりを祓い巡られると、それきり姿を見せなくなるという。