家をゆする見えざる小鬼のいたずら
家鳴り
家鳴 / やなり / 鳴屋 / 家鳴り
しんと寝静まった真夜中、柱がみしり、戸ががたり。誰もいないはずの家が、ひとりでに身をよじる。
Overview
家鳴りは、誰も触れていないのに家や家具がひとりでに軋み、ゆらりと揺れ鳴る怪異。特定の土地に限らず全国で語られ、身近な住まいに起こる不可解な物音として古くから知られてきた。その正体は、家に潜む小さな妖怪の仕業と考えられてきた。
Encounter
夜更け、静まりかえった屋敷でふいに柱や梁がみしみしと鳴り、戸障子ががたがたと震え出す。人の気配も風もないのに家全体が揺れ、住む者を眠りから覚まさせる。古い武家屋敷や広い農家など、年を経た建物ほど起こりやすいという。
Lore
この怪異は、家に棲みついた目に見えぬ小鬼が、家そのものを揺さぶって起こすものと考えられてきた。理由のない物音は凶事の前触れ、あるいは家に取り憑いた何かの気配として恐れられた。鳥山石燕はこの怪異を「鳴屋」と名づけ、小鬼が家を揺する姿を妖怪画に描き残している。
Traits
家鳴りを起こすのは、人の目に映らぬ小さな鬼たちで、大勢で取りついて家をぐらぐらと揺さぶり、軋みや振動を生むとされる。人を直に傷つける力はなく、もっぱら物音で住人を驚かせ、不安がらせるにとどまる。今日では、西洋にいうポルターガイストと同じ現象として語られることも多い。