山中に忽然と現れる、化かしの屋敷

山中の幽霊屋敷

山の奥、藁屋根の家から漂うぼた餅の甘い匂い。「お茶でも飲んでいけや」——にこにこ笑う老人は、あまりに親切すぎた。だからこそ少年は駆け出した。後年たどり着いたその場所には、朽ちた廃屋がぽつんと一軒。もてなしも、笑い声も、すべて狐が見せた甘い幻だったのか。

山中の幽霊屋敷 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

Overview

山の中に忽然と現れる、賑やかで人けのある屋敷。招き入れられてもてなしを受けるが、その正体は朽ちた廃屋であり、化け狐などが幻を見せているのだといわれる。水木しげるが少年時代に島根半島で出会ったと語る怪異でもある。

Encounter

小学三年生の水木少年が弟や同級生と山へ入ると、狐に化かされぬようにと戒められていたその奥に、大きな藁屋根の家が建っていた。禿げ頭の老人がにこにこと現れ、茶を勧め、懐から出したぼた餅を差し出しては、土地のことを親切に語ってくれたという。

Lore

親切であればあるほど、これは人を化かして食おうとする狐に違いない——そう思い定めた少年は、一目散に逃げ出した。忽然と現れた賑やかな家に誘われて入れば幽霊屋敷だった、という箱根山中の古い話も、同じ心細さを今に伝えている。

Traits

訪れた者を手厚くもてなし、油断させて留め置こうとする。後日ふたたび同じ場所を訪ねると、屋敷は幼い日に見たのと寸分たがわぬ位置に、ただし朽ち果てた廃屋として建っていた。化け狐が古い廃屋を材にして見せる、山中の甘くもの寂しい幻である。

山中の幽霊屋敷 cover image