大槐に棲み、供物を怠る旅人を武士の姿で追う邪神

槐の邪神

大森の街道に、天を覆う槐がそびえている。供え物を忘れて木の下を過ぎたが最後、背後で刀の鞘走る音がする。振り返れば、いつのまにか一人の武士が立っていて、その目だけは、明らかに人のものではない。

槐の邪神 figure art

Danger and Rarity

A
戦闘力

人の命を奪う明確な攻撃手段を持つ。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

Overview

江戸中期の怪談集『太平百物語』に載る、大槐に棲みついた邪神。甲斐国は身延山の麓、大森にあったという大人五、六抱えもの槐の巨木を住処とし、街道を通る人に供え物を求め、供物が足りないと祟りをなして往来を悩ませたと語られる。

Encounter

遭うのは、身延山の麓・大森を通る街道。道端にそびえる巨大な槐の下を、供え物も持たずに通り過ぎようとすると危うい。木陰から一人の武士がぬっと現れ、憤怒の形相で背後に追いすがってくる。

Lore

甲斐の大森には幾抱えもある槐の巨木があり、そこに邪神が棲みついたと伝わる。古木・大木に神霊が宿るとされ、その祀りを怠る者に祟りが及ぶという樹木信仰は各地にあった。この話も、大樹への畏れと、施しを強いる祟り神の観念とが重なって生まれたものとみられる。

Traits

ふだんは大槐の内にひそみ、街道を行き交う人を見張っている。供物を欠いた者を見つけると、腰に刀を差した武士の姿をとって木陰から躍り出る。逃げる相手をどこまでも追い、捕らえては煮て食おうとしたとされ、施しを強いる貪欲で執念深い性をあらわす。

槐の邪神 cover image