船を手招きし、海へ呑み込む盲(めしい)の海坊主

海座頭

盲(めしい)の目に、船影は映らぬはずだ。それでも彼は水を蹴らず立ち、こちらへ手を上げて招く。あーあ、と大あくびがひとつ——生者の真似が、ほんの少しだけ下手だった。

海座頭 figure art

Danger and Rarity

A
戦闘力

人の命を奪う明確な攻撃手段を持つ。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

Overview

海坊主の仲間とされる妖怪。海上に立って船を手招きし、難破させたり船ごと呑み込んだりするという。座頭すなわち盲人の姿から、海で死んだ盲人の怨霊が化けたものとも考えられている。

Encounter

夜半の沖合、船と同じ速さ・同じ間隔を保ちながら、水面に立ったまま後をつけてくる。溺れているのかと思えば泳ぎ方がどこかおかしく、突然「あーあ」と大きな欠伸をして、生きた人間ではないと見る者に悟らせる。

Lore

海上に立ち、通りかかる船を手招きして難破させ、あるいは丸ごと呑み込むと語られる。座頭は盲人を指し、海で命を落とした盲人の怨霊が姿を変えたものとも言われる。鳥山石燕の妖怪画や百鬼夜行絵巻には、琵琶と杖を携えた盲僧が海上に立つ姿で描かれ、絵の中にのみ伝わる妖怪ともされる。

Traits

閉じた目でありながら船の位置を過たず捉え、脚を使わずに直立したまま海上を移動する。水面には筋骨隆々の上半身だけをあらわし、獲物と定めた船を執拗に追尾しては、手招きひとつで人を海へ引きずり込む。

海座頭 cover image