石燕が描いた茶釜と巾着の付喪神

禅釜尚と虎隠良

ぜんふしょう / こいんりょう

茶を点て、財を掻き込んだ道具たちが、主に忘れられて幾星霜。捨てられた恨みは湯気となり、熊手となって、今宵の行列に加わる。

禅釜尚と虎隠良 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

Overview

禅釜尚と虎隠良は、鳥山石燕『百器徒然袋』に槍毛長とともに描かれた付喪神。禅釜尚は茶釜が、虎隠良は革の巾着が古びて命を得た器物の妖怪とされる。三者がなぜ並ぶのかは判然としないが、室町の百鬼夜行絵巻を下敷きにした構図と見られる。

Encounter

長く使い込まれた茶室や納戸に現れる。年を経た茶釜や袋物が、打ち捨てられて顧みられなくなった頃、夜更けの百鬼夜行に加わり、槍毛長ともども列をなして練り歩く姿が描かれた。

Lore

伝承というより石燕の画賛による。禅釜尚は茶釜の付喪神で、名は『禅和尚』をもじったものとされる。虎隠良は革の巾着が化けたもので、熊手を担ぎ千里を走るという。両者の関わりは明かされず、器物が長い年月に精霊を宿すという付喪神の発想に基づく。

Traits

禅釜尚は湯をたぎらせる茶釜のまま脚を生やして歩む。虎隠良は担いだ得物を頼りに、韋駄天のごとく駆け抜けるという。いずれも人を襲うというより、古道具が長い歳月に募らせた情念を、そのまま姿にした器物の霊である。

禅釜尚と虎隠良 cover image