凶日を告げる水門の獣神
赤舌
赤口 / 赤舌神 / しゃくぜつじん
舌先三寸で堰を握る。垂れ流した言葉は、いつか濁流となって己に返る。
Overview
鳥山石燕『画図百鬼夜行』に、開いた水門の上で牙をむく毛深い獣の姿で描かれた妖怪。説明文は付されず正体は謎に包まれるが、暦や陰陽道でいう凶日「赤舌日(赤口)」を司る赤舌神が、その絵解きの由来と考えられている。
Encounter
描かれるのは、田畑へ水を分ける水門の上。研究者はこの水門を、争いのもととなる水利や、垂れ流される悪しき言葉への戒めと読み解く。ゆえに水争いの絶えぬ堰や、六曜で凶とされる赤口の日に、その名は結び付けられてきた。
Lore
名は、太歳(木星)の西門を守る赤舌神、また六曜の赤口に通じるとされる。江戸期の『百怪図巻』などには、水門を伴わない「赤口」として先んじて描かれており、これを石燕が水門とともに「赤舌」として仕立て直したものと考えられている。
Traits
黒雲を背に、鉤爪の手と毛むくじゃらの顔を持ち、大きく裂けた口から真っ赤な長い舌を垂らす。水門を握って水の流れを左右し、旱魃や諍いといった禍を人の世にもたらすとされる。その舌は、口さがない讒言の象徴ともいわれる。