「ほっといてくれ」と言い残し走り去る怪犬
人面犬
追いかけても無駄だ。振り向いたその顔が人間だと気づいた時には、もう遠く走り去っている。
概要
中年男性のような顔をした犬。昭和末から平成にかけて全国の子供たちの間で語られた噂で、深夜の高速道路や街のゴミ捨て場に現れては、人語で言い返して走り去るとされる。姿を見た者は少なく、専ら噂と又聞きの形で広まった。
出現
深夜、車の少なくなった高速道路の路肩や、飲食店裏のゴミ捨て場でその気配に出くわす。生ごみを漁っている野良犬かと思って追い払おうとした途端、こちらを振り向いた顔が人間そのものだったという話が、判で押したように語られる。
伝承
噂の型は概ね決まっている。追いかけると時速百キロを超える速さで車列に並走する、あるいはゴミ捨て場で見咎められると「ほっといてくれ」「うるせえんだよ」などと言い返してその場から走り去る、というものである。友人の友人が見た、という又聞きの形で語られ続けた。
特徴
普段は路傍の野良犬と見分けがつかず、声を発するか、まともに顔を見られるまで正体に気づかれない。追い詰められると振り返り、中年男性そのものの顔でひとこと言い返す。高速で走る車列にも並走できる俊足を持つとされる。