墓の土を象った富をもたらす憑き物
人形神
望んだ物は次々届く。ただし静かに待つことは許されない。人形は、求め続けることでしか応えない。
概要
富山県礪波地方に伝わる憑き物。墓地の土を人の姿に象って祀ると、望むものが次々に手に入り家は裕福になるとされる。ただし富には代償があり、一度迎え入れた人形神は祀った者の生涯から決して離れないと語られる。
出現
急に金回りが良くなり、暮らし向きが目に見えて豊かになった家に噂が立つ。「あの家は人形神を祀っているに違いない」。神棚の奥や納戸の隅、人目を避けた場所に小さな人形が据えられ、日々何かを言いつけられるのを待っている。
伝承
土を人の姿に象るには、3年の間に3千人に踏まれた墓地の土を用いる。念の入った作り方では、7つの村の7つの墓地から集めた土を人の血で練り、信じる神の姿に象って人通りに置き、千人に踏ませる。3寸ほどの人形を千体作って鍋で煮、浮かび上がった1体を祀る「コチョボ」という法も伝わる。
特徴
祀られている間は求められるままに富や品を運び入れるが、用事を言いつけずにいると「今度は何だ」と急かしてくる。一度でも祀った者からは片時も離れず、死の間際には激しい苦しみを与え、死してなお憑いたまま離れず、ついには祀り主を地獄へ引き込むという。