見上げるほど、大きくなる夜道の坊主

入道坊主

見上げるほどに、闇はどこまでも高くなる。振り返らず、目もそらさず、その正体が肩の上の小さな獣だと気づけたときにだけ、夜道はもとの高さを取り戻す。

入道坊主の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

入道坊主は、夜道に小柄な坊主の姿で現れ、見上げれば見上げるほど背丈を増していく妖怪。福島県の伝承では正体は鼬とされ、見入っている隙に喉笛を狙って襲いかかるという。

出現

人通りの絶えた夜道や山道を一人歩く者の前に、最初は等身大ほどの小坊主として姿を見せる。何者かと目を凝らして見上げた途端、その背丈はみるみる伸び始め、見ている間じゅう大きくなり続ける。目をそらせないまま立ち尽くした者だけが、間近でその正体と対峙することになる。

伝承

見越入道(見越し入道)系統の怪異の一つで、地域ごとに異なる呼び名と正体で語られる。福島県の伝承では正体を鼬とし、化かした相手の肩に乗って喉笛を狙うとされる。民俗資料『妖怪名彙』(1938年)や柳田國男『妖怪談義』(1956年)に、こうした地方伝承の記録が見える。

特徴

見つめられている間だけ巨大化を続けるという奇妙な性質を持ち、見上げるのをやめない限り伸長は止まらない。福島県の伝承ではその正体は肩に取りついた鼬で、油断して喉笛に噛みつかれれば命に関わる。慌てず脚をつかんで地に叩きつければ正体を現し、術は解けるという。

入道坊主のカバー画像